自宅の合鍵まで ドン底の山崎ハコ支えた渡辺えりの心遣い
■どんな時も親身に
ご挨拶したら目を真ん丸くして驚き、「私ファンなのよ」「その暗さが好き」。しかも「私たちの芝居では不可欠、今やってるお芝居でハコさんの歌を使っているから見に来て」とお誘いまで。後日、下北沢のスズナリへ行きましたら私の「望郷」を効果的に使っていて、それで自信がついたんです。「ニーズがあるんだ」って。
それからお付き合いが始まり、困った時には励まされ、またある時は泣いて怒るくらい親身になってくれました。事務所が倒産して住んでいたアパートを追い出された時も自宅の合鍵をくれて「いつ来てもいいわよ」って。私は体質的にお肉が食べられないから、野菜だけのお鍋とお料理を作って鍋パーティーをしてくれたことも。その時は食事の心配をして帰りがけにラーメンやレトルト食品、果物を入れた袋をいただいたのですが、私が余計な気を使わないように、参加した全員に同じお土産を手渡していたのが、えりさんらしい。
そしてアルバム「縁」はレコード大賞優秀アルバム賞を受賞。14年9月発売の「歌っ子」、去年9月の「私のうた」も山形で作りました。今こうして歌っていられるのは、えりさんのおかげ。本当に感謝してもし切れません。