松元ヒロ マルセ太郎さんから学んだ「忖度しない」大切さ
歯に衣着せぬ辛口漫談で政治や社会問題をバッサバッサと斬りまくるコメディアンでパントマイマーの松元ヒロさん(64)。恩人は往年のボードビリアン・マルセ太郎さん(享年67)だ。
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「どうだ、仕事あるか?」
マルセさんに電話をすると、必ず第一声がこれでした。「はい、おかげさまで」と返すと「そうか、よかったな」。社交辞令じゃなく、親身になって心配してくれていることが携帯電話の向こうからひしひしと伝わってきたものです。
初めてお会いしたのは35年ほど前。都内のキャバレーでした。僕は「笑パーティー」というコミックバンドのメンバーで、マルセさんはピン芸人。「猿以上に猿に似てる」と言われた形態模写で、笑いを取るために戦っていました。
その後、マルセさんがブレークするきっかけとなった映画再現芸「スクリーンのない映画館」の評判を耳にし、渋谷にあった劇場ジァン・ジァンへ見に行き驚きました。一本の映画をひとりで語り尽くし、演じ切る姿にすごく感動したのです。