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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。「芸能界」というビジネスは、いかにして始まったのか。貴重な証言を収録した「芸能界誕生」(新潮新書)。伝説の番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」を基に描く青春群像ノンフィクションノベル「史上最大の木曜日 クイズっ子たちの青春記」(双葉社)。2つの最新著が絶賛発売中!

渡辺正行が「東京芸人のリーダー」であり続けられる理由

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 当時、爆笑問題は下ネタや差別ネタばかりやっていたという。そんな彼らに渡辺は「それはいまはかまわない、いまどんなネタをやってもかまわないから、ウケる感覚だけを覚えておいたほうがいい」(Yahoo!ニュース「個人」16年12月1日)と彼らを認めつつ、こんなアドバイスを送ったという。

「舞台に出るっていうのは人前に出ることなんだからちゃんとした格好しなさい」(同前)

 いまではピシッとしたスーツで漫才をする爆笑問題だが、この頃は服装に無頓着だった。渡辺が与えるアドバイスは、ネタそのものの内容ではない。自分が芸人だからこそネタにダメ出しされるのが嫌だと分かるからだ。

 代わりに「お客さんからどう見えるのか」、その視点を教える。「こうすると見やすくなる、もっと分かりやすくするためにこういう言い方の方がいいんじゃないか」と、お客さんにいかにネタを伝えるのかをアドバイスしていくのだ。

 なぜ30年もの長い間このライブを続けるのかを問われた渡辺は「若い頃の気持ちを思い起こさせてくれるし、いまこういうのがウケるんだってセンスをもらえる。みんなを紹介しているだけだけど、その中で逆にエネルギーをもらっている」(同前)からと答えている。

 常にお客さんの反応を大切にし、若い頃の思いを忘れない。それを貫き続けているからこそ、文字どおり東京芸人の「リーダー」であり続けられるのだ。

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