日常を大事に自由に “おばあさんの達人”樹木希林の死生観
「みんな、やりたがらないから、いっくらでも、おばあさんの役が来るの」(樹木希林/テレビ朝日「徹子の部屋」5月16日放送)
第71回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞した是枝裕和監督の「万引き家族」。作品の中で、“一家”の家計を年金で支える祖母を演じているのが、樹木希林(75)だ。
この作品もそうだが、樹木希林といえば、「おばあさん」役のイメージが強い。1974年の出世作「寺内貫太郎一家」(TBS)で、小林亜星が演じた貫太郎の実母に扮したとき、まだ30代で、しかも本人の発案だったというのは有名な話だ。そんな樹木が黒柳徹子に漏らした言葉を今週は取り上げたい。
「寺内貫太郎」のときは髪の毛の色を脱色。皺のない若い手を隠すため、手袋をして「おばあさん」役を演じた。そうした経験からだろう。彼女は「おばあさん」っぽく見せるのは「体型」だと看破している。
「それはもう絶対体型です。歳を取るというのはそういうこと。だから、私は顔に皺とかを書いたことないの。いつも体型なんです。歳を取っていくと段々体が小さくなっていく。それだけ」(スイッチ・パブリッシング「SWITCH」16年6月号)