「検察側の罪人」原田監督語る 木村拓哉の演技と籠絡テク
例年以上に粒ぞろいで賑わいを見せる夏映画にあって、注目度ナンバーワンは今週24日に封切られる「検察側の罪人」だろう。木村拓哉(45)と二宮和也(35)の映画初共演作。監督・脚本は原田眞人氏(69)だ。妥協を許さない厳格な仕事ぶりで知られるが、今回は主演の木村に「籠絡された」という。コワモテ監督を軟化させた行動とは――。
原作の雫井脩介氏の同名小説は単行本で500ページ超に及ぶ長編だ。それでも読後から「イケる」と確信した。原田監督が描きたかったテーマに通じるからだ。
「いまの司法制度にはさまざまな問題があり、そのことを描こうとすれば、正義の問題にぶち当たる。しかもそれはエモーショナル(感情的)な部分に頼るしかない。そんな以前から考えていたことと原作の共通点を見いだすのはそう時間はかかりませんでした。改めて、少年犯罪や冤罪事件、戦争犯罪など日本人が関わった案件の資料を読み漁る中で、1944年、日本軍が決行したインパール作戦がひとつの核になると思った。そのあとはどんどんイメージが膨らんでいったんです」