ウエンツ、ダレノガレ…芸能界“海外留学ブーム”の落とし穴
例えば、ウエンツは、そもそもWaTというデュオで歌手デビューし、俳優としても活動したが、現在はバラエティーが主流。実は彼は、12年前に仕事でカンヌ国際映画祭に行った際、フランスの高級ファッション誌「JALOUSE」から声をかけられ、後にフランスから撮影スタッフがわざわざ来日し取材を受けている。アジアにも、こんなイケメン俳優がいると紹介されたのだが、彼の顔立ちは「フランス女性にドンピシャのイケメン」なんだそうな。英語ができればヨーロッパでも活動のチャンスがあると言われたことが根っこにあるのではなかろうか。
海外と日本でミュージカル俳優として活躍するのが目標だ。
渋谷もジャニーズ事務所での活動の中で、ソロシンガーとして高く評価され、その高い音楽性、歌の才能を認められているのだが、本人としては音楽そのものを体系的に学んでいないという思いがあり、根が真面目なだけにキチンとプロフェッショナルになりたいとの思いが拡大したのだろう。
ただ、マネジメント側や起用するテレビ局は事情がいささか違ってくる。留学中の活動休止でかつての勢いを失った吉田栄作のような例もある。その視点で、ふと思い浮かんだのが、お笑いタレントのピースの綾部祐二(40)。「彼が悪い」とあえて言いたい。彼も“思い立って”ニューヨークに留学、アメリカで俳優になりたいという夢を描いて渡米、まずは英語の勉強からスタートした。ただ、あのピース綾部がやれるんなら、「さらに強い思いを持った自分ならもっとできる」と、他の人の頭の片隅にどこか残ったはず。綾部はニューヨークで優雅な生活を満喫しているという。
仕事を捨てても、夢のために歩み始めるきっかけのひとつに、留学のハードルを下げた綾部の存在があったと思うのだが……。