「すぐに帰ろうと」福岡を愛する博多華丸が上京を決めた日
それが時折、東京から芸人がゲストでやって来た際、それまで自分たちを大切に扱っていた地元のスタッフたちの「手のひら返し」だった。どうやら、自分たちはリスペクトされていないんじゃないかと思うようになり、華丸は上京を考えるようになった。
折しも同郷で同期のカンニング竹山が全国区でブレークしていた。決定打となったのは、福岡のとあるローカル局の8時間特番だった。
東野幸治が司会で第1中継に原口あきまさ、第2中継にはなわ、第3中継に華丸・大吉という布陣。華大の中継には新人ディレクターがつき、オープニングのたった40秒の中継のために、執拗なリハーサルを繰り返した。
いざ本番という段になると、それぞれの中継で押し、オープニングの時間は25秒に。8時間も放送があるのに、15秒も調整できないような扱いに「もうやだ!」と、35歳で上京を決めた。
「『エンタの神様』に、1回でもオンエアされたら帰ろう」(フジテレビ「おかべろ」19年1月15日)と。
だが、「エンタの神様」(日本テレビ)は若手芸人のための番組。35歳の彼らは、お呼びではなかった。それでも「R―1ぐらんぷり」(フジテレビ)で優勝し、足がかりをつかんだ彼らは今や、「あさイチ」のMCとしてNHKの朝の顔に。全国に博多弁を発信している。