著者のコラム一覧
髙橋隆

1949年1月生まれ。学生時代に「走れコウタロー」で知られる「ソルティー・シュガー」の一員としてデビュー。大学卒業後はディレクターに転身し、ビクターエンタテインメントやテイチクエンタテインメントで数々のヒット曲を生み出す。代表作は「ダンシング・ヒーロー」「襟裳岬」「てんとう虫のサンバ」「白いギター」など。現在はフリーの音楽プロデューサー。

秋川雅史「千の風になって」昼下がりの百貨店のご婦人狙い

公開日: 更新日:

 この曲は、作者不詳のアメリカの詩を、芥川賞作家でシンガー・ソングライターの新井満さんが訳詩・作曲し、2001年に発表したもの。そのカバーとなります。そこで、当時まだ電通の役員だった新井さんの元に、本人と事務所社長を連れて挨拶に行ったんです。

 すると新井さんは曲を聴いて一言。「うん。いいね、これ。来年の紅白に出れるよ」――。実際にシングルカットしたのは翌年。まずはNHK「歌謡コンサート」のプロデューサーの耳に留まり、出演したら大反響。あれよあれよという間にブレークし、その年末の紅白歌合戦に見事出場を果たしました。

 さすが芥川賞作家の目は確かですね。以降、200人もの歌手がこの曲をカバーしていますが、売り上げは秋川さんのバージョンが最高なはずです。

 詩の印税も相当なものでしょうが、作者不詳なのでいまだに支払われておらず、いざ現れた時のために出版元がプールしていると聞いています。

 本連載は今回で終わりです。ご愛読ありがとうございました。

(聞き手・いからしひろき)

【連載】昭和・平成ヒット曲の裏側

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