ショーケンに渡哲也が激怒した“東映京都撮影所騒動”の顛末
東京の東映撮影所でのこと、佐藤浩市がスタジオでドラマの撮影をしていると、別の仕事で撮影所に来ていたショーケンがふらりとやってきた。「ヨーイ、スタート」の声で本番となり、佐藤がセリフを話しているシーンと静まり返ったスタジオに向かい、「親父に似てヘタクソだな!」と大声を出し、ぷいっとスタジオを出てしまった。
当然、現場は騒然となった。佐藤の父親は名優の三国連太郎だし、もちろん佐藤も素晴らしい俳優で、スタッフはオロオロするばかり。佐藤が笑顔で「皆さん、落ち着いて。撮り直しすればいいんですから」と大人の対応で事なきを得たという。
出演料をめぐる恐喝未遂で執行猶予3年となった映画は、女優の秋吉久美子とダブル主演だった。映画は代役で完成し、僕はその記者会見に行って秋吉の機嫌を見ながら、最後にショーケンについてコメントしてもらおうと、囲み取材の準備をして待っていた。そこへやってきた秋吉が開口一番、「だいたいさぁ、ショーケンと私を一緒に出させるプロデューサーがおかしいわよ。ふたりとも制御不能なんだから、無理」と言いだして笑わせたのだ。