久保田早紀“引退”の契機 久米小百合さんが聖書を開いた訳
■賛美歌にまじり「異邦人」も
時の流れは本当に早く、昨年還暦を迎えたときは「私がロクジュウ?」って信じられませんでした。ようやく年齢を受け入れられるようになったのは最近で、これからは少しゆっくり生きていこうかと思うようになりました。
若かった頃のことも、思い出します。八王子市の自宅から中央線と地下鉄を乗り継いで、九段下の共立女子短大に通っていた頃、スパゲティといえばナポリタンとミートソースくらいで、赤いものだと思っていたところ、ボンゴレという赤くないメニューもあることを知って、食べたときの驚き。文芸部に入り、村上龍さんの「限りなく透明に近いブルー」のハードカバーをバッグに入れて神田や御茶ノ水あたりを歩きまわり、アンニュイが格好良く、アンチを気取っていた。
音楽伝道は、聖書の福音を音楽を通じて皆さんと分かち合い、賛美することです。芸能界を引退してしばらくはまたステージに立つなんて思いもしませんでしたけど、またピアノの鍵盤を叩き、歌わせてもらっています。芸能界のまばゆいスポットライトに照らされていたときは自分の周りだけしか見えませんでしたけど、今は聴いてくださる皆さんのお顔が見えます。同じイエスのもとという一体感、安らぎがあります。賛美歌にまじって、「異邦人」を歌ったりもしています。まだまだ人生の旅の途中、異邦人のまま、聖書とともに、歩んでいこうと思っています。