香取慎吾を起用…萩本欽一が浅間山荘事件から学んだTV哲学
SMAP時代の16年、香取は週3本のレギュラー番組を持ち、主演ドラマが連続、単発ともに1本ずつ放送されていたことを考えれば、1年4カ月で地上波テレビ出演4本(「仮装大賞」当日の「直前みどころSP」含む)はあまりに少ない。
それだけに、今回の番組出演はBSとはいえ大きな話題を呼び、ツイッターのトレンドワードに「欽ちゃん」が入るまでになった。
地上波テレビが躊躇している香取慎吾の起用を実行した背景には、萩本の視聴率に対する根本的な考え方があったのではないか。
〈みんな、「どうやって数字取れるの?」って聞くけど、みんながやってるのをやめたっていうこと〉〈数字を取る方法はないけれど、数字を下げないっていう方法はある。(中略)それは、お客さんが嫌ってるものはやめようっていう〉(以上、書籍『視聴率50の物語』小学館・2013年9月2日発行)
■みんながやってることをやめた
各テレビ局の忖度に、視聴者は嫌気が差している。そんな中で、萩本が〈みんながやってるのをやめた〉からこそ、喝采を浴びたのだろう。8月11日放送の「欽ちゃんのアドリブで笑」にはA.B.C-Zの塚田僚一、河合郁人というジャニーズ事務所所属タレントも出演していただけに、余計に驚きがあったかもしれない。