香取慎吾を起用…萩本欽一が浅間山荘事件から学んだTV哲学

公開日: 更新日:

 また、ジャニーズ事務所退所以降、テレビ出演に恵まれない香取の境遇を萩本が1つのドラマに変えた点にも着目したい。この起用を見て、筆者は欽ちゃんのある発言を思い出した。

〈コント55号の練習中に、連合赤軍が人質をとって立てこもった浅間山荘事件(1972年)を生中継しててね。窓に影が映ったというだけで、みんなテレビの前にすっ飛んで行ったの。ディレクターまでもが。こっちは懸命に稽古しているのに。で、気付いたわけ。テレビは何が面白いとか、何がいいとかじゃなく、次に何が起こるかわからないときに最も人を引きつけるんだ。予測不能の『いま』を撮れば面白くなるんだって〉(朝日新聞・2015年7月11日付)

 思い返せば、欽ちゃんの番組はバラエティでありながら、ドキュメンタリーの要素も入っていた。83年6月、「欽ちゃんのどこまでやるの!」(テレビ朝日系)で人気を得た「わらべ」のメンバーのスキャンダルが世間を賑わせ、彼女は謹慎になった。番組でこの話題に触れない手もあったが、萩本は真っ正面からぶつかり、電話出演させた。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」