8月納涼歌舞伎で手腕発揮「演出家」坂東玉三郎の面目躍如

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 8月の歌舞伎座は納涼歌舞伎で、3部制。

 納涼歌舞伎は、中村勘三郎と坂東三津五郎が始めたもので、それぞれの家にとって重要な公演のはずだが、中村勘九郎は昨年に続いて大河ドラマの撮影のためか、出ていない。そのため弟の七之助が納涼歌舞伎での中村屋の場を死守すべく、3部制のすべてに出ている。

 その七之助を助けるのが坂東玉三郎。納涼歌舞伎は若手中心の座組なので、これまで出ていなかったが、今年は深く関わっている。

 第1部の古典「伽羅先代萩」では、女形の大役である政岡を初役で演じる七之助を指導し、第3部では「新版 雪之丞変化」を自ら演出、主演し、七之助を相手役に起用している。

 まさか、納涼歌舞伎で玉三郎を見るとは思わなかったが、出るからにはいままで誰もやっていないものを見せましょうという意気込みを感じさせる。この若さこそが、納涼歌舞伎のコンセプトにふさわしい。

「雪之丞変化」は長谷川一夫の映画で有名な娯楽時代劇。女形役者が主人公で一種のバックステージものでもあり、それに仇討ちの物語がからむものだ。

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