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塩澤実信ノンフィクション作家

長野県生まれ。双葉社取締役編集局長などを歴任。レコード大賞元審査員。「昭和の流行歌物語」「昭和歌謡 100名曲」など著書多数。

「勝手にしやがれ」はキザな沢田研二だからこそサマに

公開日: 更新日:

沢田研二「勝手にしやがれ」

 沢田研二の代表曲「勝手にしやがれ」は、阿久悠の傑作だと思うが、本人の評価はそこまでではなかったようだ。

 生涯で5000曲以上を作詞した阿久悠が「自分の作品で好きなもの」の第1位にあげたのは、同じ大野克夫とのコンビで生み出したジュリーの「時の過ぎゆくままに」なのである。だが、その後のジュリーの立ち位置を決定づけたという意味では、私は「勝手にしやがれ」が決定打だと思っている。

 いまさら言うのもくどくなるが、昭和40年代から50年代にかけて、若者たちを熱狂させたグループ・サウンズ。その中にあって、人気の面で一頭地を抜いていたのがザ・タイガースの沢田研二だった。甘いマスクと歌声で数多くのヒット曲を飛ばし、10代の女性ファンが「ジュリー!」と絶叫しながらステージに殺到したものだ。

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