<最終回>麻雀は「深き川を浅く渡る」必要がある
江戸時代の俳諧について資料をまとめた「世話尽」という書物の中に「浅き川も深く渡れ」という言葉がある。
そのままの意味は「石橋を叩いて渡れ」と同じように、用心を説いている。他家への警戒が大切な麻雀では心得るべき教えだ。
だが、私は麻雀では「深い川を浅く渡る」必要があると考えている。
リーチして聴牌の名乗りを上げるなど、危険を承知で勝負する場合だ。
麻雀は用心だけでは勝てない。機敏に勝負どころをつくり、一発長打を狙ってみる。牌譜1の場合は、幸いにも他家をオロしてツモあがりというリーチの理想的な運びになった。摸打14巡目に高目の「一索」ツモあがり。
牌譜2に話を移そう。阿佐田さんのタンヤオ食い仕掛けという、あまり見られない譜である。親番には和了に執念を見せる阿佐田さんの打ち回しも参考になりそうだ。
三萬・五萬・七萬・七萬・五索・五索・七索・三筒・四筒・五筒・七筒・八筒・八筒
これが摸打7巡目の途中の手牌。まだ二向聴である。