裕次郎さん命日に幕引き 石原軍団「金、酒、飯」豪快伝説

公開日: 更新日:

 故石原裕次郎さん(1987年没)が設立し、ドラマ「太陽にほえろ!」「西部警察」などヒット作の数々を世に送り出してきた石原プロモーションがその幕を下ろそうとしている。7月17日の裕次郎さんの命日に合わせて関係者向けに発送された挨拶状に来年1月をめどに業務を縮小し、解散する旨が記されているという。所属する渡哲也(78)、舘ひろし(70)、神田正輝(69)は独立。徳重聡(41)、金児憲史(41)らは他の事務所へ移籍する。

 63年の設立から57年、裕次郎さんの遺志を継ぐ石原軍団は東日本大震災の被災地で炊き出しのボランティアを行うなど、本業以外でも社会に貢献し親しまれてきた。

 とにかく豪快なエピソードには事欠かない。東京・調布市の事務所にはドラマ撮影用のパトカー、餅つき機や3000人分の炊飯ができる炊事器などがあり、いつでも出動できる態勢が整っていたことで知られる。裕次郎さんの志である「夢をもて、ロマンを語れ」を亡くなってからも引き継ぎ、そのために金、酒、飯は惜しまないという方針を貫いてきた。

「ど派手なアクションで人気だった『西部警察』では84年までの5年間に車4800台を壊し、建物320棟を倒した。使った火薬は約5トンという凄まじさ。今では到底できませんね」と、往時の石原プロを知る芸能プロデューサーは振り返る。被災地などへの炊き出しではカレーや豚汁、焼きそばを振る舞う一方、取材に来たテレビや新聞、雑誌などの芸能マスコミにも大盤振る舞いであった。

「毎年正月恒例の新年会で取材に来た記者やカメラマンに『よおし、おまえら並べ』と番頭だったコマサさん(故・小林正彦氏)が音頭を取って、札束を取り出すや、1人1万円のお年玉を渡していくのです。もらわないのは失礼と、ほぼ同額の日本酒を買ってお礼に持っていったのを覚えています」(元スポーツ紙記者)

 地方ロケで大変だったときは俳優やスタッフを集めて打ち上げ用の「遊び代」を渡していたという逸話も男所帯ならではだ。

「それも『西部警察』時代のことでしょう。レギュラー出演していた三浦友和さんだけ『僕は女房がいるので、そういうところには行きません』と断ったとか」(前出の元スポーツ紙記者)

 食事は豪勢で量も多く、石原良純は新人の頃、渡哲也らによく高級店に連れていってもらい、そのたびに大盛り飯を食べさせられたという。

「若者にはたくさん食べさせろという方針で、渡辺徹はそれで巨漢になったといわれています」(放送関係者)

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高嶋ちさ子「暗号資産広告塔」報道ではがれ始めた”セレブ2世タレント”のメッキ

  2. 2

    フジテレビ「第三者委員会報告」に中居正広氏は戦々恐々か…相手女性との“同意の有無”は?

  3. 3

    大阪万博開幕まで2週間、パビリオン未完成で“見切り発車”へ…現場作業員が「絶対間に合わない」と断言

  4. 4

    兵庫県・斎藤元彦知事を追い詰めるTBS「報道特集」本気ジャーナリズムの真骨頂

  5. 5

    歌手・中孝介が銭湯で「やった」こと…不同意性行容疑で現行犯逮捕

  1. 6

    大友康平「HOUND DOG」45周年ライブで観客からヤジ! 同い年の仲良しサザン桑田佳祐と比較されがちなワケ

  2. 7

    冬ドラマを彩った女優たち…広瀬すず「別格の美しさ」、吉岡里帆「ほほ笑みの女優」、小芝風花「ジャポニズム女優」

  3. 8

    佐々木朗希の足を引っ張りかねない捕手問題…正妻スミスにはメジャー「ワーストクラス」の数字ずらり

  4. 9

    やなせたかし氏が「アンパンマン」で残した“遺産400億円”の行方

  5. 10

    別居から4年…宮沢りえが離婚発表「新たな気持ちで前進」