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ラリー遠田お笑い評論家

1979年、愛知県名古屋市生まれ。東大文学部卒。テレビ番組制作会社勤務を経てフリーライターに。現在は、お笑い評論家として取材、執筆、イベント主催、メディア出演。近著に「お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで」(光文社新書)などがある。

“崖っぷち”ユニット・おいでやすこがが起こしたM-1の奇跡

公開日: 更新日:

 昨年末の「M―1グランプリ」で優勝したマヂカルラブリーに負けないほどの強烈な印象を残したのが、準優勝のおいでやすこがである。決勝で彼らが披露した2本の漫才は爆笑を巻き起こし、「M―1」の歴史にその名を刻んだ。

 おいでやすこがは「こがけん」(41)と「おいでやす小田」(42)という2人のピン芸人から成るユニットである。このようなユニットコンビが「M―1」の決勝に進んだのは初めてのことだ。

 昨年11月、彼らは予期せぬ不運に見舞われていた。ピン芸日本一を決める大会「R―1グランプリ」の出場資格が変更され、出場できなくなってしまったのだ。

 2人とも「R―1」ではファイナリストになったこともある実力者であり、ピン芸人としてそこで勝つために努力を重ねてきた。そんな彼らが突然、長年の目標を失ってしまったのだ。

 しかし、天は彼らを見放さなかった。おいでやすこがは「M―1」の予選会場を爆笑の渦に包み、見事に決勝進出。背水の陣で臨んだ決勝でも底力を見せつけた。

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