NHK「ひきこもり先生」に反響続々…不登校児への「来なくていい」と「逃げてもいい」の大きな違い
自分のために喜んだり、笑ったり、泣いたり、怒ったりしてくれるだけで、子供たちは十分に救われる。人に寄り添うということは、アドバイスをすることでも、知ったような気持ちになってあげることでもなく、ただ「共感」することだけで良いのだと思う。
そして3話で、いじめを受けている生徒に怒りに震えながら陽平が発した「学校なんか来なくてもいいんだ!」という言葉。
よく不登校児に対して使われる「逃げてもいい」という言葉がずっと引っかかっていたが、陽平が言った「学校なんか来なくてもいい」と言う言葉は一見同じ方向性の言葉だが、意味合いが全く違う。
「逃げてもいい」という言葉は、学校に行きたいのに行けない人間にとっては自分の惨めさを増長させる可能性もある言葉だが、陽平の言った「学校なんか」という言葉はその惨めさをも打ち消してくれる「救いの言葉」だと素直に受け取ることができた。
筆者は毒親育ちの、元いじめられっ子の不登校児で、あの時「陽平のような人がいてくれたらどんなに良かったか」と思ったが、今大人になった自分は陽平のような大人になれているのか……。自問自答しながら身を引き締めた。
全5回はあまりにも短いが、10日放送される陽平の姿をしっかりと心に刻みたい。