“密”な東京五輪閉会式で「一番良かったのはパリ五輪の紹介映像」の冷ややかな声
そんなチグハグな閉会式には、終わったという開放感からか“密状態”なのにマスクを外していた選手も少なくなかった。〈開催してくださりありがとうございました〉と感謝のメッセージを書いた日の丸を掲げる選手がいる一方で、マスクを外して大はしゃぎでスマホで記念撮影に興じる日本の選手も……。
「そんな姿を見たら、いくら自粛を呼びかけたって、我慢するのがバカバカしいと感じる人が出てきて当然でしょう」(前出のスポーツ紙五輪担当デスク)
閉会式が始まった夜8時の国立競技場の周辺も、記念撮影に興じるやじ馬でごった返していた。
「一方で医療崩壊の危機が報じられているのに、閉会式でマスクをせずに談笑したりハグしている選手たちを当たり前のように大写しにして流すという、中継した側のセンスも疑いますね。途中から〈これを写していいのか〉というカメラワークの戸惑いも感じましたけど、たまたま写った選手に批判が集中しなければいいのですが……」(前出の山下真夏氏)
IOCのバッハ会長は閉会式のあいさつで「(東京五輪は)希望と連帯と平和のオリンピック」「私たちはやり遂げた」などと得意げだったが、一体、何をやり遂げたというのか……国立競技場の外では今も大勢の人がコロナ禍にあえいでいる。共に闘っていたとは思えない。