著者のコラム一覧
吉田隆記者、ジャーナリスト

1984年に写真週刊誌「FRIDAY」の創刊準備メンバーとして専属記者契約を結ぶ。87年の大韓航空機爆破事件では、犯人の金賢姫たちが隠れていたブダペストのアジトを特定、世界的に話題となる。初代「張り込み班チーフ」として、みのもんたや落合博満の不倫現場、市川染五郎(現・松本幸四郎)や石原慎太郎の隠し子、小渕恵三首相のドコモ株疑惑などジャンルを問わずスクープ記者として活躍。

<44>ドン・ファンは「いつでも別れてやるから」と吐き捨てた

公開日: 更新日:

 野崎幸助さんの喜寿77歳の誕生日となった2018年4月13日の昼、私は六本木のホテルに呼ばれた。行くと交際クラブの社長であるAさんと、元従業員で名目上のアプリコ役員のMがいた。

 60代後半のMは野崎さんの通夜・葬儀の時には、「オヤジは遺言なんて残すタマじゃないよ」と言い切っていたのだが、2週間後に「社長から遺言が送られてきていた」と“思い出した”男である。「遺産を田辺市にキフする」と書かれた1枚の紙切れが現在も係争されており、田辺市と遺族との間で裁判が行われている。このことは後に詳しく説明するが、Mは社長から金を借りており、コバンザメのように社長の機嫌うかがいをするヤツだった。

「社長、おめでとうね。早貴ちゃんは来ないの?」

「うん。自動車免許を取るために教習所に通っているんですよ」

「仲はうまくいっていますか?」

「はい、はい。まあまあや」

 私の質問にも機嫌が良く、4人でカウンターに座って洋食のランチを食べた。

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