明石家さんまも「なんか寂しい気持ち」と嘆く…フジ早期退職騒動と軽チャー路線の終焉
「待って待って、ちょっと涙ぐんでるやん」
そう言って、明石家さんま(66)は慌てて止めに入った。司会を務めるフジテレビ系「さんまのお笑い向上委員会」でこのほど、鬼越トマホークがケンカ芸のさなか、止めに入った番組アシスタントの久慈暁子アナ(27)が「うるせえな。おまえが辞めてもフジテレビ、1ミリもダメージないからな!」と言われ、涙目になってしまったのである。
さんまはカメラマンに「撮るなよ、俺まで悪者になるんで」と言って混ぜっ返し、久慈アナにも「いちいち泣かれて、おまえの好感度どんどん上がるの許せんねん、俺は」などと説教したが、事態は収拾せず。
「これからフリーになったら、こんなこといっぱいあるぞ」などと、4月30日でフジテレビを退社する久慈アナにアドバイスするなどして、何とか笑いにしようとしていた。
「ハプニングはバラエティー的には“おいしい”はずですけど、大ベテランのさんまさんが本当に慌てているようで、驚きました。少なくとも『円満退社や』と懸命にフォローしているのは、素というか本気に見えました」(芸能プロ幹部)
フジの末路と自身のキャリアを重ねているのか…
フジテレビは目下、激震のさなかにある。満50歳以上かつ勤続10年以上の社員を対象に希望退職者を募ったところ、3月末で辞める「退職リスト」が表に出回り、騒動になっているのだ。
「リストにはアナウンサーから総務局に異動して久しい境鶴丸氏、『めちゃ×2イケてるッ!』などの片岡飛鳥プロデューサー、元アナで記者の長坂哲夫氏らビッグネームが挙がっている。久慈アナは今回の希望退職応募者ではありませんけど、さんまさんには若手も辞めてしまう空気が伝わっているのでしょう」と、フジに出入りして久しいこの芸能プロ幹部は続けた。
さんまは26日深夜のMBSラジオ「ヤングタウン土曜日」で、応募者多数とされるフジの早期退職について触れ、こんなことを言っている。
「サラリーマンにしちゃとんでもない金額やねんけど、それよりも退職待ちした方が赤字になんねん。だから今辞めてもらうため。会社の経営も大変みたいで。なんか寂しい気持ち」
さんまといえば、同局が「母と子のフジテレビ」から「楽しくなければテレビじゃない」へとキャッチフレーズを変え、ドラマとバラエティーを軸とした80年代「軽チャー」路線の申し子のひとり。フジが河田町に本社を置いていた時代から取材する元スポーツ紙記者は言う。
「明石家さんまは、かつてのお笑いBIG3の一角にして長くギャラランキングのトップに君臨。高視聴率を叩き出し、業界トップを走るフジとの強力タッグを続けていました。ですが、それももう昔の話。ラジオで片岡Pから電話があったと話していましたが、今の50代以上の退社ラッシュに、共に生きてきた軽チャー路線の完全な終焉のみならず、フジテレビの末路と自らのキャリアを重ねているのかもしれません」
お台場や兵どもが夢の跡、である。