榊英雄監督に女性への性加害報道、最新作公開中止に…法的責任について弁護士の見解は?
元東京地検検事の落合洋司弁護士は「訴える場合、刑事、民事の2つのケースがありますが、刑事の場合、立証の可否、証拠の問題に加え、おそらく時効の問題が関わってくるでしょう。民事でも不法行為の時効は3年ですから、(記事のケースだと)難しいのではないか」と言いつつ、こう続ける。
「ただ、法律上はそうであっても、加害者が被害者に対して和解金や慰謝料などを支払うケースもある。また、今回の文春記事がきっかけで、海外のように日本の芸能界でも『#MeToo』運動が起きる可能性は否定できません」
文春の記事を受け、榊氏は9日付で次のようなコメントを発表。
<この度は、映画「蜜月」の公開が控えているこのタイミングで、私の過去の個人的なことが記事になり、映画を創るために東奔西走してくださったプロデューサー陣やスタッフ、キャストの皆さま及び関係者の皆さま、そして何よりこの映画の公開を楽しみに待っていてくださる観客の皆さまに、多大なるご迷惑とご心配、不快な思いをさせてしまったことを、心よりお詫び申し上げます(略)今回の記事上で、事実の是非に関わらず渦中の人とされてしまった相手の方々にも、大変申し訳なく思っております。記事の内容につきましては、事実であることと、事実ではない事が含まれて書かれておりますが、過去のことをなかった事には出来ません。それをしっかり肝に銘じ、これからの先へ猛省し悔い改めることを誓い、人を、日々を大事に生きていきたいと思っております>
反省の意を示しながらも「過去のこと」とつづっているのが気になるが、「猛省し悔い改めることを誓う」のであれば、まずは真っ先に謝罪するべき相手は被害女性であり、たとえ時効で法的責任は問われなくとも誠心誠意を尽くすべきだろう。