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田中幾太郎ジャーナリスト

1958年、東京都生まれ。「週刊現代」記者を経てフリー。医療問題企業経営などにつ いて月刊誌や日刊ゲンダイに執筆。著書に「慶應幼稚舎の秘密」(ベスト新書)、 「慶應三田会の人脈と実力」(宝島新書)「三菱財閥 最強の秘密」(同)など。 日刊ゲンダイDIGITALで連載「名門校のトリビア」を書籍化した「名門校の真実」が好評発売中。

YouTubeから毒舌ギャル爆誕!「みりちゃむ」こと大木美里亜は朝日奈央を超えるか?

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「コア視聴率を押し上げてくれる新星を求めているのは、どの局も一緒。そのキーとなるのはYouTube」と話すのは、主にバラエティーを担当してきたテレビ制作会社のディレクター。

 これまで視聴率といえば「世帯視聴率」を指し、その数字を上げることに民放各局は血まなこになってきた。だが今は、世帯視聴率より重視される指標として「コア視聴率」が登場。年齢による重点ターゲットを各局がそれぞれ設定している。日本テレビフジテレビは13~49歳、テレビ朝日は13~59歳、TBSは13~59歳と4~49歳の二段構えでターゲットを絞り、その層の視聴率を算出している。

「購買意欲の強い年齢層に響く番組づくりをして、スポンサー獲得につなげたいと各局は考えているわけです。しかし、若者のテレビ離れの中でコア視聴率のとれるタレントの数は限られていて、新たなスターの発掘が急務になっている。各局の番組担当者は、コア視聴率の対象となる年齢層が多く見ているYouTubeをこまめにチェックしているのです」(前出ディレクター)

■制作関係者が注目する「佐久間宣行のNOBROCK TV」

 そうした中で、特にバラエティー制作関係者が注目しているYouTubeチャンネルがある。昨春、テレビ東京を退職しフリーになった名物プロデューサーの佐久間宣行が手がける「佐久間宣行のNOBROCK TV」だ。

「今や人気ユーチューバーの一人といっても過言ではないですが、テレビ的な感覚もそのまま取り入れているので、とても参考になる。何より、佐久間Pが起用する人材に注目しています。すぐにもテレビで使えそうな新人がゴロゴロいる。その中でも圧倒的な存在感を示すタレントが現れたんです」

 このディレクターが「イチオシ」と太鼓判を押すのが、「みりちゃむ」こと大木美里亜(19)。タレントでギャル系雑誌「egg」の専属モデルを務めている。佐久間のチャンネルに初めて登場したのは昨年11月。「口ゲンカ最強女子オーディション」という企画だった。

■佐久間Pに「そっちから名乗れよ!」

 佐久間が「名前言ってもらっていいですか?」というと、「そっちから名乗れよ!」とみりちゃむ。「滑舌悪くて聞こえない」と佐久間が突っ込むと、「おじいちゃんなんじゃない?」と返す。「今一番好きな芸能人だれ?」の問いには「沢尻エリカ!」と即答。他のギャルタレントをまったく寄せつけない強さだった。

ぐうの音も出ないほどやり込められる芸人たち

 その約1カ月後、錦鯉を相手にした時はさらにパワーアップ。「本日○○のためお休みします」のお題に「本日眠たいためお休みします」と答える長谷川雅紀に、「てめいの諸事情だろう。眠いんだったら今日も休んどけ」と切り捨てる。「本日はなんだか嫁がエロすぎるためお休みします」という渡辺隆に対しては、「おまえ、嫁いんのか」と突っ込む。「嫁はいないです」と答えると、「まず嫁つくれ、そっからだよ」といって、以降もみりちゃむの罵倒が続いた。

 その後も、佐久間のチャンネルにたびたび登場。アルコ&ピース酒井健太、ダイアン津田篤宏、三四郎小宮浩信らを相手に、ぐうの音も出ないほどにやりこめていった。“ああいえばこういう”という感じで、機関銃のように言葉が出てくる。「選ぶワードも適切で、頭の回転の良さは、最近の女性タレントの中でもピカイチ」と前出のディレクターも舌を巻く。

「番組の終わりにはしっかり相手に謝るなど、実はとても礼儀正しい。今年中にはテレビでもブレークする予感がします。立ち位置としては、マルチタレントとして引っ張りダコの朝日奈央が近い」(同)

■朝日を開花させた佐久間宣行

 女性アイドルグループ「アイドリング!!!」のメンバーだった朝日がバラドルとして開花したのも、佐久間宣行の番組がきっかけだった。6年前、佐久間がプロデューサーを務めるテレ東のバラエティ番組「ゴッドタン」の「ロッチ中岡のマジ嫌い1/5」に登場した朝日は、中岡創一を完膚なきまでに叩きのめした。そして、この番組を見たテレビ関係者が次々に朝日を起用するようになっていったのである。

 みりちゃむが朝日の路線を進むのかどうかはともかく、YouTubeから毒舌キャラの新スターが誕生する日はそう遠くなさそうだ。(敬称略)

(文=田中幾太郎/ジャーナリスト)

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