芋澤貞雄
著者のコラム一覧
芋澤貞雄芸能ジャーナリスト

1956年、北海道生まれ。カリフォルニア州ロサンゼルスでテレビ・映画のコーディネーター業を経て、女性週刊誌を中心に30年以上にわたり芸能・スポーツを中心に取材活動を続ける。代表的なスクープは「直撃! 松田聖子、ニューヨークの恋人」「眞子妃、エジンバラで初めてのクリスマス」。現在は、星野源、ディーン・フジオカから羽生結弦、浅田真央まで幅広く取材活動を続ける。日刊ゲンダイDIGITALや現代ビジネスなどで執筆中。ツイッター現代デジタル芸能界一の嫌われ記者 芋澤がぶっちゃける極秘情報

戸田恵梨香"おめでた"に水を差す映画「母性」興行成績 敗因は永野芽郁のキャスティング?

公開日: 更新日:

「ハコヅメ」で2人のペアは好評だったが…

 配給会社関係者をさらに浮足立たせたのが、この映画のクランクアップ後に撮影が始まった連続ドラマ「ハコヅメ~たたかう!交番女子~」(日本テレビ系)の好反応だった。21年7月期に戸田と永野のペアで放送され、連ドラ低迷期といわれているこの時代に、平均視聴率11%を超える数字を残し、いい意味でスタッフや制作陣の予想を裏切った。2人は交番勤務の先輩後輩の警察官役を演じ、息の合った小気味良い演技を披露したわけだが、実はこれは「母性」の現場で培われた2人の信頼関係によって実現したものだったという。

 固定ファンが付いている湊かなえ作品が原作で、人気バディー再共演となれば、誰の目にも「母性」に“死角”は見つからなかったはずだったが……。なぜ「告白」ほど数字が伸びないのだろうか?

 最大の理由は湊氏の“イヤミス”のディープ過ぎる闇に、戸田と永野が完全に“埋没”してしまっていることだ。

「『母性』のキャスティングは特に永野さんにはまだ早過ぎました。『ハコヅメ~』でどちらかと言えばコメディエンヌ的な、軽妙な新人警察官を見せられたすぐ後の『母性』では、ドラマが好評だっただけに視聴者も切り替えが追いつかない。『母性』の約2カ月前に公開された『マイ・ブロークン・マリコ』では喫煙シーンや、やさぐれ感の強い役柄も演じていますが、映画の観客やテレビの視聴者は、まだもう少し永野さんの笑顔を見ていたいと思っているのでしょう」(芸能関係者)

 劇場前やSNSで「母性」の観客の声を取材すると、戸田の義母役を演じた高畑淳子(68)と実母役の大地真央(66)の、いわゆる脇役の“熱量”の高さを評価する声が多い。主演の2人を差し置いて、高畑や大地の演技に圧倒されたという観客が少なくないようだ。

 これは湊かなえ作品の特徴の一つでもあるのだが、脇を固める演者の“熱量”がとにかく半端ないのだ。関係者の中には公開早々でもう既に、国内の映画賞の助演女優賞部門は高畑と大地の一騎打ちと公言する人もいるほど。日本映画に限らず、「脇役が目立ってしまう作品は興行的に成功しない」と、ショービジネスの世界ではいわれている。

 永野にとって「母性」の出演はいい経験にはなったが、興行的には適役ではなかったということだろうか。戸田はさらさら気にしていないだろうが、「母性」の興行成績は“おめでた”に水を差す結果になりそうだ。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1
    「踊る大捜査線」12年ぶり新作映画に「Dr.コトー診療所」の悲劇再来の予感…《ジャニタレやめて》の声も

    「踊る大捜査線」12年ぶり新作映画に「Dr.コトー診療所」の悲劇再来の予感…《ジャニタレやめて》の声も

  2. 2
    大谷翔平を激怒させたフジテレビと日本テレビ…もっと問題なのは、情けない関係修復の仕方だ

    大谷翔平を激怒させたフジテレビと日本テレビ…もっと問題なのは、情けない関係修復の仕方だ

  3. 3
    高橋一生「ブラック・ジャック」高視聴率も続編困難か…永尾柚乃“完璧ピノコ”再現に年齢の壁

    高橋一生「ブラック・ジャック」高視聴率も続編困難か…永尾柚乃“完璧ピノコ”再現に年齢の壁

  4. 4
    芸能事務所の社長には「三浦友和のNGみたいな子はいらないのよ」と言われた

    芸能事務所の社長には「三浦友和のNGみたいな子はいらないのよ」と言われた会員限定記事

  5. 5
    「あぶない刑事」100万人突破で分かった…舘ひろし&柴田恭兵“昭和のスター”の凄みと刑事役の人材不足

    「あぶない刑事」100万人突破で分かった…舘ひろし&柴田恭兵“昭和のスター”の凄みと刑事役の人材不足

  1. 6
    織田裕二がフジテレビと決別の衝撃…「踊る大捜査線」続編に出演せず、柳葉敏郎が単独主演

    織田裕二がフジテレビと決別の衝撃…「踊る大捜査線」続編に出演せず、柳葉敏郎が単独主演

  2. 7
    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  3. 8
    大食いタレント高橋ちなりさん死去…元フードファイターが明かした壮絶な摂食障害告白ブログが話題

    大食いタレント高橋ちなりさん死去…元フードファイターが明かした壮絶な摂食障害告白ブログが話題

  4. 9
    佐々木希、三田寛子…我慢したのは“サレ妻”だけでない!太川陽介、立川志らく“シタ妻”を許した男の矜持

    佐々木希、三田寛子…我慢したのは“サレ妻”だけでない!太川陽介、立川志らく“シタ妻”を許した男の矜持

  5. 10
    高橋一生「ブラック・ジャック」の不安材料? ドクター・キリコ=石橋静河にやはり疑問の声

    高橋一生「ブラック・ジャック」の不安材料? ドクター・キリコ=石橋静河にやはり疑問の声

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    ソフトB山川穂高「無神経ぶり」改めて露呈…31試合ぶり本塁打も身内から異論噴出

    ソフトB山川穂高「無神経ぶり」改めて露呈…31試合ぶり本塁打も身内から異論噴出

  2. 2
    小池都知事が“アキバ降臨”も演説ドッチラケ…若者文化アピールに「うそつき!」とヤジ飛ぶ

    小池都知事が“アキバ降臨”も演説ドッチラケ…若者文化アピールに「うそつき!」とヤジ飛ぶ

  3. 3
    ソフトB山川穂高 数字では測れない「4番の価値」…打てない時期もチームの躍進に大貢献

    ソフトB山川穂高 数字では測れない「4番の価値」…打てない時期もチームの躍進に大貢献

  4. 4
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  5. 5
    ドトールに注がれる「石丸効果」都知事選でヒモ付き隠さず3番手から猛追、株価も爆上がり

    ドトールに注がれる「石丸効果」都知事選でヒモ付き隠さず3番手から猛追、株価も爆上がり

  1. 6
    石丸伸二候補に大逆風…「恫喝」訴訟で2連敗、都知事選後の国政進出シナリオも狂いが

    石丸伸二候補に大逆風…「恫喝」訴訟で2連敗、都知事選後の国政進出シナリオも狂いが

  2. 7
    都知事選最終盤に飛び交う「蓮舫狙い撃ち」の怪情報…永田町に出回る“石丸2位”データの真の狙い

    都知事選最終盤に飛び交う「蓮舫狙い撃ち」の怪情報…永田町に出回る“石丸2位”データの真の狙い

  3. 8
    巨人・桑田真澄二軍監督が「1人4役」大忙し…坂本勇人を感激させた“斬新アドバイス”の中身

    巨人・桑田真澄二軍監督が「1人4役」大忙し…坂本勇人を感激させた“斬新アドバイス”の中身

  4. 9
    中日ポスト立浪は「侍J井端監督vs井上二軍監督」の一騎打ち…周囲の評価は五分五分か

    中日ポスト立浪は「侍J井端監督vs井上二軍監督」の一騎打ち…周囲の評価は五分五分か

  5. 10
    大食いタレント高橋ちなりさん死去…元フードファイターが明かした壮絶な摂食障害告白ブログが話題

    大食いタレント高橋ちなりさん死去…元フードファイターが明かした壮絶な摂食障害告白ブログが話題