追悼・笑福亭笑瓶さん 大病の末にたどり着いた「五感」の境地と周囲への気遣い
「とにかくおまえら元気でな。長生きせなあかんで」
故・笑福亭笑瓶さんは晩年、弟子たちと顔を合わせると、落語や仕事のアドバイスだったのが変わり、健康の大切さを説いていたそうだ。2度目となる急性大動脈解離を発症し、このほど66歳で亡くなった笑瓶さん。ゴルフ場で倒れた2015年の12月、ドクターヘリでの救急搬送で九死に一生を得て以来、「チェーンヘビースモーカーでしたが、やめました」とし、ウオーキングを始めるなどして、生活を改めていた。NPO救急ヘリ病院ネットワークのインタビューではその心境の変化をこう語っている。
「挑戦とかではなく、生きていることを楽しみたい。特に『五感』ですね。暑い夏の日に飲むキンキンに冷えたアイスコーヒーのおいしさや、飼い犬の毛のぬくもり、魚を焼いたときのにおい。そんな日常が今は大きな喜びや楽しみです。死んでしまったら五感も何もない。忘れていた日常の喜びを思い出させてもらいました」
長寿番組「噂の!東京マガジン」(BS-TBS)で共演の競馬評論家、井崎脩五郎さん(75)はこんな追悼コメントを。