「崖の上のポニョ」を一緒に歌った「藤岡藤巻」藤巻直哉が明かす…大橋のぞみちゃんは何を

公開日: 更新日:

藤巻直哉さん(大橋のぞみと「崖の上のポニョ」を歌った藤岡藤巻/70歳)

 ♪ポ~ニョポ~ニョポニョさかなの子……という、子どもらしい歌声がかわいかった「崖の上のポニョ」。2008年公開のスタジオジブリのアニメ映画の主題歌で、子役の大橋のぞみチャンと、2人組おじさんユニット「藤岡藤巻」の3人が担当していた。パペットを持って歌っていた藤巻直哉さん、今、どうしているのか。

  ◇  ◇  ◇

 藤巻さんに会ったのは、東京は恵比寿。「崖の上のポニョ」を歌っていた頃は博報堂勤務の会社員だったが、今はエンタメビジネスの会社を立ち上げ、恵比寿に拠点をもっているとのこと。自転車にまたがってさっそうと現れ、まずはこう言った。

「お待たせしてすみません。出がけに長い電話がかかってきたもんだから」

 藤巻さん、忙しそうだ。

「10年前に定年退職し、今はグループ会社全体のメディアコンテンツ部門を担う博報堂DYメディアパートナーズと業務委託契約を結びフェローを務めています。アドバイザリースタッフのようなもので、週1回は会社に顔を出しています。あとは、博報堂時代に映画プロデューサーとしてジブリ作品を手がけていたので、久石譲さんと久石さんの息子と3人で『ワンダーエンタテインメント』という会社を立ち上げ、映画やCM、ゲームの音楽制作のマネジメントをしています。久石さんは72歳、鈴木敏夫さんは74歳、宮崎駿さんは82歳とジブリの方たちはみな現役バリバリ。僕も刺激をもらっています」

 その昔、「崖の上のポニョ」を歌うことになったのも、ジブリ作品を手がけていた縁だった。

「大橋のぞみチャンのデモテープを聴いた宮崎駿さんが、『お父さんの声も欲しい』というので、たまたまそばにいた僕が仮歌を入れたら、『これでいいか』ということになったんです」

 もっとも、藤巻さんは音楽と無縁だったわけではない。当時、会社員をしながら、小中学校の同級生で、レコード会社勤務の藤岡孝章さんとコミックバンド「藤岡藤巻」を結成し、中年男の悲哀を歌っていたのだ。

「でも、『ポニョ』での活動はまったく別物でしたね。『ポニョ』を歌えたのは、幸運以外の何ものでもなかった。紅白や『ミュージックステーション』に出たり、なかなかできない経験ですから」

 映画公開の08年末に紅白に出場後は、ほぼ活動を休止していた。

「藤岡君とは長く会っていなくて、6年前、後輩のバンドのライブにゲストで呼ばれ、久しぶりに一緒に歌ったのを機に活動を再開しました。彼はレコード会社を早期退職し、今は舞台音楽などを手がけていますよ。『藤岡藤巻』としての活動は年3回くらい、大森のライブハウス『風に吹かれて』などで歌い、3年前からは毎週月曜日、20時から1時間、YouTubeチャンネル『藤岡藤巻TV』で生配信もしています。仲がいい? そんなことないですよ(笑)。もう60年の付き合い。長年連れ添った夫婦みたいなものです。ただ、この年になってみると、音楽はいいな、と思いますね。音楽をベースにつながっている仲間がいて、飲んだりしゃべったりできるのは楽しいです」

■大橋のぞみの就職祝いをマネジャーと

 大橋のぞみチャンは12年に学業優先を理由に引退。今はどうしているのだろうか。

「ときどき連絡をとっています。去年の春、大学を卒業し福祉の仕事についたので、のぞみチャンとお母さんと、当時のマネジャーと4人で就職祝いの場を持ちました。のぞみチャンは、当時のまま大人になったような感じ。背がスラリと伸びて、今もとてもかわいらしいですよ。望んでキツイ仕事に就くとは、頭が下がります。めちゃ真面目だから、今は家に寝に帰るだけのような仕事ぶりだそうです」

 ステキな大人に成長した、のぞみチャンの歌声も聴いてみたいものだ。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    朝ドラ「あんぱん」教官役の瀧内公美には脱ぎまくった過去…今クールドラマ出演者たちのプチ情報

  2. 2

    中井貴一の“困り芸”は匠の技だが…「続・続・最後から二番目の恋」ファンが唱える《微妙な違和感》の正体

  3. 3

    松本潤、櫻井翔、相葉雅紀が7月期ドラマに揃って登場「嵐」解散ライブの勢い借りて視聴率上積みへ

  4. 4

    永野芽郁&田中圭の“不倫LINE”はどこから流出したか? サイバーセキュリティーの専門家が分析

  5. 5

    低迷する「べらぼう」は大河歴代ワースト圏内…日曜劇場「キャスター」失速でも数字が伸びないワケ

  1. 6

    河合優実「あんぱん」でも“主役食い”!《リアル北島マヤ》《令和の山口百恵》が朝ドラヒロインになる日

  2. 7

    キンプリが「ディズニー公認の王子様」に大抜擢…分裂後も好調の理由は“完璧なシロ”だから 

  3. 8

    TBSのGP帯連ドラ「キャスター」永野芽郁と「イグナイト」三山凌輝に“同時スキャンダル”の余波

  4. 9

    永野芽郁&田中圭「終わりなき不倫騒動」で小栗旬社長の限界も露呈…自ら女性スキャンダルの過去

  5. 10

    Kōki,主演「女神降臨」大爆死で木村拓哉がついに"登場"も リベンジ作品候補は「教場」か「マスカレード」シリーズか

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    松本潤、櫻井翔、相葉雅紀が7月期ドラマに揃って登場「嵐」解散ライブの勢い借りて視聴率上積みへ

  2. 2

    永野芽郁&田中圭の“不倫LINE”はどこから流出したか? サイバーセキュリティーの専門家が分析

  3. 3

    キンプリが「ディズニー公認の王子様」に大抜擢…分裂後も好調の理由は“完璧なシロ”だから 

  4. 4

    低迷する「べらぼう」は大河歴代ワースト圏内…日曜劇場「キャスター」失速でも数字が伸びないワケ

  5. 5

    巨人のW懸案「ポスト岡本和真&坂本勇人」を一気に解決する2つの原石 ともにパワーは超メジャー級

  1. 6

    早期・希望退職の募集人員は前年の3倍に急増…人材不足というけれど、余剰人員の肩叩きが始まっている

  2. 7

    ユニクロ女子陸上競技部の要職に就任 青学大・原晋監督が日刊ゲンダイに語った「野望」

  3. 8

    巨人「松井秀喜の後継者+左キラー」↔ソフトB「二軍の帝王」…電撃トレードで得したのはどっち?

  4. 9

    西内まりや巨額金銭トラブル 借金の中身と“返済ウルトラC”

  5. 10

    巨人秋広↔ソフトBリチャード電撃トレードの舞台裏…“問題児交換”は巨人側から提案か