混乱する「2025年7月大災害」騒動。ネット上の噂や陰謀論にハマった人にどう対応すべき?

公開日: 更新日:
コクハク

「2025年7月5日」を恐れる人々

《イワシやクジラの海岸への大量漂着は地震の前兆や影響である》

 この情報に接した4人に1人が家族や友人に話したり、SNSで拡散させたという。総務省が今月13日、こうしたインターネットに広がる偽・誤情報の認識に関する初の調査結果を明らかにしたが、今まさに世間を騒がせているのは「2025年7月5日」問題だ。

 漫画家のたつき諒氏の著作『私が見た未来』は、彼女の予知夢をもとにした予言を描いているが、それによれば今年の7月に太平洋全域に影響を及ぼす自然災害が発生する可能性があるという。

【こちらもどうぞ】2月相次ぐ地震で“南海トラフ”がトレンド入り 専門家の警戒する地震は?

 かつて社会現象になった「1999年7の月に人類が滅亡する」で知られるノストラダムスの大予言にも似ているが、たつき氏の場合、「2011年3月の大災害(東日本大震災)」を当てたといわれているだけに注目を集めている。

47.7%が偽情報を信じた

 ちなみに先の調査では、実際にあった15種類の偽情報のうち、一つでも見聞きした上で「真実」と誤認していた人は47.7%もいたそうだ。意外とネット上の偽・誤情報を信じてしまう人が多いことが分かったが、中には根拠ない噂にハマってしまって「陰謀論」などに捉われてしまうことも……。

 家族や恋人・友人、同僚がネットのウソや陰謀論を拡散していたら、周囲はどう対応すべきなのだろうか。ITジャーナリストの井上トシユキ氏に聞いた。

ストレス過多な人ほどハマる。対策は?

「拡散されてしまう偽・誤情報や陰謀論の特徴は、全くの作り話とも言い難く、もっともらしい書籍や資料など"裏付け的なモノ"があるところ。

 たとえば7月の自然災害なら、たつき諒氏の過去の予言や書籍があります。コロナワクチンの陰謀論の裏には、実際に接種者から副作用と認定された報告があがっていることがある。根拠のないデタラメでもないため、周囲は説得が難しいのです」

 井上氏によると、これまで民間企業などの調査によって偽・誤情報などにハマる人には傾向があることが分かっている。経済・介護・子育て・人間関係の過度なストレスで、生活に追われているほどネット上の情報に頼ってしまうそうだ。

 いずれも孤独になりやすい状況だろう。もうひとつの傾向が高学歴の人だという。

一旦は「否定しないこと」が大事

「オウム真理教の幹部は国立大や難関私大の卒業生が多かったことから、過去の調査では高学歴の人ほど、偏った情報に洗脳されやすいことが分かっています。真面目な優等生タイプですね。

 ここからは説得方法ですが、まず生活圏のストレスを抱えている相手には、否定しないことが大事。"科学的根拠がない"という理屈は反発を招きます。相手が陰謀論めいたことを話し出したら、『確かに地震は、いつ来てもおかしくないから準備しないとね』『コロナに限らず、ワクチンの歴史を見ると失敗もあるから過信はできないよね』などと、一旦意見を受け入れます」

 そのうえで、『地震はこの1000年で何回起きてる? 意外と少ないね』などとネット上の情報がすべて正しくないことも伝えると理解しやすいという。また後者の高学歴相手なら、国内外の有名な教授の論文などを集めて読んでもらうのも効果的だそうだ。

「こちらは逆に科学的根拠を示すことで、冷静に判断できる人が多い」という。備えは大事だが、何事も妄信的になってはいけない。

(コクハク編集部)

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    松本潤、櫻井翔、相葉雅紀が7月期ドラマに揃って登場「嵐」解散ライブの勢い借りて視聴率上積みへ

  2. 2

    永野芽郁&田中圭の“不倫LINE”はどこから流出したか? サイバーセキュリティーの専門家が分析

  3. 3

    キンプリが「ディズニー公認の王子様」に大抜擢…分裂後も好調の理由は“完璧なシロ”だから 

  4. 4

    低迷する「べらぼう」は大河歴代ワースト圏内…日曜劇場「キャスター」失速でも数字が伸びないワケ

  5. 5

    巨人のW懸案「ポスト岡本和真&坂本勇人」を一気に解決する2つの原石 ともにパワーは超メジャー級

  1. 6

    早期・希望退職の募集人員は前年の3倍に急増…人材不足というけれど、余剰人員の肩叩きが始まっている

  2. 7

    ユニクロ女子陸上競技部の要職に就任 青学大・原晋監督が日刊ゲンダイに語った「野望」

  3. 8

    巨人「松井秀喜の後継者+左キラー」↔ソフトB「二軍の帝王」…電撃トレードで得したのはどっち?

  4. 9

    西内まりや巨額金銭トラブル 借金の中身と“返済ウルトラC”

  5. 10

    巨人秋広↔ソフトBリチャード電撃トレードの舞台裏…“問題児交換”は巨人側から提案か