タイトル取っても年俸が上がらない二軍の現実 僕が一軍に推薦したい選手の特徴は…
「試合の結果に一喜一憂するな。二軍の選手は8割方、練習でイメージが決まるんだぞ」
僕が二軍の指導者として選手を見極める時、最も注目するのが「練習」である。
練習でいい印象だった選手が二軍戦で安打を放てば「やっぱりな」となる。その日は打てなくても「そのうち打つだろう」と思える。練習している姿を見れば、「この選手は本気で一軍のレギュラーを狙っているな」と分かるものだ。そういう選手をこちらも一軍に推薦したい。
「試合でヒットを打て」と言われても、好投手からはそうは打てない。しかし、鬼気迫る打撃練習を見せることは誰にでもできる。
アピールの場は、チーム関係者の大部分が見ている試合前の練習だ。ここで「あいつ変わったな」となれば、チームの中でのイメージも変わる。
「あいつ打ちそうやな」「一軍に上がりそうや」「レギュラーを取りそうや」というムードができてくると、たいてい一軍からお呼びがかかるものだ。
一軍の選手はだいたい同じことを考えている。チームの勝利が最優先。その中で自分が活躍できれば、年俸は上がっていく。半面、二軍にはいろいろな考えを持ち、事情が違う選手が混在している。入団したばかりの新人、引退間近のベテラン、一軍と二軍を行ったり来たりする一軍半、故障のためにリハビリや調整にきたバリバリのレギュラー。だから二軍はまとまりに欠けるところがある。