田邊昭知さんは宇崎竜童さんに「愚図」を頼む時、「研ナオコを男にしてやってくれ」って(笑)

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 でも、アタシの本業は歌手。木ならば歌手が幹、それ以外は枝葉なんです。その思いは今でも変わりません。なので、ヒット曲が出ないことで悩んでいた時期もあった。そんな思いを察して、すぐに動いてくれたのが田邊さん。まず、レコード会社を変え、楽曲作りに奔走してくれた。

 当時、「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」が大ヒットしていた宇崎竜童・阿木燿子コンビに作詞作曲を依頼したの。その先見性って凄いって今でも思いますよ。それでできたのが「愚図」。宇崎さんが歌っているテープを聴いたときの衝撃は今でも忘れません。こんな素晴らしい歌でヒットしなかったら歌手をやめて故郷へ帰ろうって、本気でそう思いました。

 今回のコンサートでは、宇崎さんに当時のやりとりを話していただきました。田邊さんは宇崎さんに頼むとき、「研ナオコを男にしてやってくれ」って言ったんですって(笑)。歌はベストテンに入るほどヒットしたので、「田邊さんのご希望に沿うことができましたけど、研ナオコを男にすることはできませんでした」って(笑)。

「愚図」を歌うとき、歌い方から衣装まですべて自分で考えたんです。これも田邊流プロデュースだと思いますね。この子は野放しにしておいた方が伸びるって思ったんでしょう。野放しにされて53年(笑)。というわけで感謝感謝です。

 読者の皆さまには60回もお付き合いいただきまして、本当にありがとうございました。また、どこかでお会いできることを楽しみに。では。 =おわり

(構成・藤井優)

【連載】研ナオコの「スッピンでしゃべります」

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