「千と千尋の神隠し」の主題歌を歌った木村弓さん 長年の体調不良を克服しコツコツと音楽を
さて、大阪生まれ、兵庫育ちの木村さんは、神戸女学院高等部1年のとき、米国文化に魅力を感じカリフォルニアへ留学。同州立大学にピアノ専攻で4年通い帰国。療養中の88年にライアーと出合い、CDの自主制作やコンサート活動を始めた。
「宮崎駿監督のファンだったので、監督に次回作のイメージで作った『いつも何度でも』を収録したテープをお送りしたら、気に入ってくださり『千と千尋の神隠し』で使っていただきました。私の名前を知っている人はほとんどいないと思いますが、映画が世界中で大ヒットしたおかげで、私の歌も世界中の方に聴いていただけて本当にありがたいです」
「いつも何度でも」は日本レコード大賞金賞などを受賞し、年末の紅白には特別ゲストとして出演し歌った。
04年公開の映画「ハウルの動く城」では、作曲を手がけた「世界の約束」が主題歌に。
「宮崎監督とはお手紙やファクスを、何度かやりとりさせていただきました。最後は、14年に監督が米アカデミー賞名誉賞を受賞されたとき。手作りのチーズケーキをお送りしたら、大勢で召し上がってくださったにもかかわらず、監督はたくさん食べてくださったようで、『35度以上食べました』と丁寧なご返事をくださいました」
2月25日(日)、武蔵村山市民会館でコンサート「オーケストラで聴くジブリ音楽」出演。
(取材・文=中野裕子)