原田泰造「おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!」は秀逸なおっさんの“成長物語”だ
東海テレビ・フジテレビ系「おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!」は、今期出色の深夜ドラマだ。
主人公の沖田誠(原田泰造、好演)はリース会社の室長。「男が上を目指さないでどうする!」などと部下を叱咤してきた。しかし、本人には当然の言動も、部下たちにとってはパワハラやセクハラだったりする。
家庭内でも同様で、妻の美香(富田靖子)には愛想をつかされ、娘の萌(大原梓)には煙たがられ、息子の翔(城桧吏)には全否定される始末。特に、ひきこもりで、「男らしさ」の強制を嫌う翔が悩みの種だ。
そんな誠が翔の慕う大学生、五十嵐大地(中島颯太)と出会う。ゲイである大地から勧められたのが「モラルのアップデート」だった。だが、凝り固まった偏見をなくし、倫理観とマナーを更新することは簡単ではない。失敗を重ねる誠の姿に、見る側もつい自身を投影してしまう。おっさんの成長物語として秀逸だ。
■性別や性的指向は「おっさんのパンツ」みたいなもの