反町隆史主演「グレイトギフト」は“藤巻どーする?”とツッコミながら見るのが醍醐味
反町隆史主演「グレイトギフト」(テレビ朝日系)は、かなりクセの強い医療ミステリーだ。
藤巻達臣(反町)は大学病院の病理医。コミュニケーションが苦手で、院内での存在感も薄い。ところが、未知の殺人球菌「ギフト」を発見したことで運命が変わる。
人間の体内に入ったギフトは瞬時に死をもたらし、その後消滅する。症状は心不全にしか見えず、完全犯罪が可能だ。病院教授の白鳥(佐々木蔵之介)も、藤巻の同僚で心臓外科医の郡司(津田健次郎)も、ギフトを利用して巨大な権力を握ろうとしている。
一方の藤巻は入院中の妻(明日海りお)を盾に取られ、白鳥の命令に従ってギフトの培養を続けるばかりだ。いわば悪に加担しているわけで、正義のヒーローではない。しかも妻と郡司は不倫関係だったりする。その優柔不断ぶりも含め、「藤巻どーする?」とツッコミを入れながら見るのがこのドラマの醍醐味だ。
また、藤巻の相棒的な検査技師・久留米(波瑠)も相当の変わり者。藤巻を恋愛対象ではなく「人間として好き」と言うが、敵か味方か不明だ。
さらに高級ラウンジのオーナーである杏梨(倉科カナ)や病院事務長の本坊(筒井道隆)らクセ強系の人物ばかりが並ぶ。脚本は「ラストマン-全盲の捜査官-」などを手がけた、黒岩勉のオリジナル。先が読めないことがありがたい。