メッキ剥がれた石丸旋風…「女こども」発言に批判殺到!選挙中に実像を封印した大手メディアの罪
■「ネガティブ情報を伝えない選挙報道は大きな曲がり角」
もっとも、そうした石丸氏の人物像は、大メディアがきちんと報じていれば、都知事選期間中には分かったはずだ。抱えている民事訴訟は5連敗。4年前の市長選のポスター印刷代金を支払わず、業者に訴えられた裁判は最高裁で敗訴が確定。投票日4日前には「市議から恫喝を受けた」と主張したことが名誉毀損だと訴えられた裁判の控訴審で、恫喝の事実がないとして、石丸氏側が敗れた。
「女こども」を彷彿させる市長時代の発言もある。理解のない年長者について「ほとんど全員自分より先に死にますから。僕らの勝ちです」と言い放っていた。
選挙が終わった途端、石丸氏の危うい本性が次々あらわになるのは、裏を返せば、選挙中にそれらがほとんど報道されなかったから。討論会もなく画一的な選挙報道では、真に大事な情報が有権者に伝わらない。
40年以上テレビ報道に携わるジャーナリストの鈴木哲夫氏が言う。
「選挙報道は大きな曲がり角に来ています。テレビは放送法で公平性を求められ、新聞も平等を重視するので、告示後は各候補を横並びにした報道になるうえ、前向きな発言を取り上げ、ネガティブな情報は報じない。しかし、これでは有権者にとって何の参考にもならず、投票の判断材料として役に立っていません。ちょうど都知事選期間中に米大統領選のテレビ討論がありました。討論は、政策論争はもちろんのこと、発言や表情から人間性も見える。有権者が『なるほど』と思える参考材料になり得ます。選挙プランナーの調査では、日本ではネット全盛の今でもテレビ報道を投票の参考にする人が5割だそうです。日本の選挙報道も変えていかないといけない」