著者のコラム一覧
二田一比古ジャーナリスト

福岡県出身。大学卒業後、「微笑」(祥伝社)の記者に。その後、「Emma」「週刊文春」(ともに文芸春秋)をはじめ、多くの週刊誌、スポーツ新聞で芸能分野を中心に幅広く取材、執筆を続ける。フリー転身後はコメンテーターとしても活躍。

神田正輝の原点でもある「石原軍団」を振り返ると昭和の芸能界の縮図が見えてくる

公開日: 更新日:

 ドラマ界に石原軍団あれば、映画界には「ピラニア軍団」があった。東映ヤクザ映画全盛期。大部屋に所属していた悪役、敵役が「いつか主役を食う」ことを夢見てピラニア軍団は誕生した。石原軍団のように団体で仕事をするためにつくられたわけではなく、「酒癖が悪く上の人から誘われない」ために、金はなくとも酒を飲む目的で結成された。毎晩のように京都・先斗町で飲んで暴れていた。たとえ二日酔いでも仕事になれば、出番はわずかでも必死に演技をするつわものたち。やがて「ヤクザよりもヤクザらしい迫力がある」と深作欣二監督らに認められ、「東映ピラニア軍団」と正式に名乗り認知された。

 個性派俳優たちはおのおの頭角を現し始め、川谷拓三は大河「黄金の日日」に出演。室田日出男は萩原健一のドラマに出演するなど活躍の場をテレビに広げた。志賀勝はバラエティー番組にも進出。眉を剃りサングラスをかけた怖い顔とのギャップで子供にも受けた。もっとも、「東京で稼いだ金は歌舞伎町で落とした」と豪語していた。ヤクザ映画もやがて衰退。軍団の顔だった川谷も室田も早くに他界。軍団も消滅していった。

 第三の軍団として出現したのが、石原軍団のパロディーともやゆされた「たけし軍団」だった。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    体操界は飲酒喫煙「常態化」の衝撃…かつてスポンサー企業もブチギレていた!

  2. 2

    オリンピアンの大甘同情論に透ける「特権意識」…血税注ぎ込まれているだけに厳罰必至の当然

  3. 3

    「重圧は言い訳にならない」とバッサリ、体操界レジェンド池谷幸雄氏が語る「エース不在」の影響

  4. 4

    大谷はシーズン後半戦、三冠王へまっしぐら ドジャース投壊がむしろ追い風になる理由

  5. 5

    夏休み到来! 我が子をテレビやゲーム、YouTube漬けにしない「割と簡単にできる方法」

  1. 6

    巨人選手を軒並み“チキン”にしたのは誰の仕業? 阿部監督ついに激怒「チャンスなのに悲壮感」

  2. 7

    阪神岡田監督の焦りを盟友・掛布雅之氏がズバリ指摘…状態上がらぬ佐藤輝、大山、ゲラを呼び戻し

  3. 8

    大谷の「左翼守備」前倒しに現実味…ドジャース投壊で「DH問題」は輪をかけて深刻に

  4. 9

    中日ポスト立浪は「侍J井端監督vs井上二軍監督」の一騎打ち…周囲の評価は五分五分か

  5. 10

    美川憲一「もういいわ」和田アキ子「ありえない」…切り捨てた重鎮に見捨てられたNHK紅白の末路