夏ドラマは駄作ばかりだった…「どうせパリ五輪に食われる」と各局の手抜きミエミエ
夏ドラマは最終盤に入ったが、まあ、不作というか、およそ見たいものがなかったなあとお嘆きのムキが多いのではないか。
「ブラックペアン2」(TBS系)は、きわめて難しい心臓手術を世界でただひとり完璧にこなす外科医(二宮和也)が、法外な手術代と引き換えに命を救えるかという医療ドラマのはずだが、まるでサスペンスがない。初めから患者は心臓病とわかっていて、受ける手術も同じ、その成功も予定調和で、めでたしめでたしのエンディング。イチかバチかの手術を受ける患者の心情もほとんど描かれない。
6年前に放送されたシーズン1は世帯視聴率14.3%と好調で、続編を作ればイケるだろうと考えたのか、竹内涼真、葵わかな、小泉孝太郎、内野聖陽ら共演者もそのまま、主役の二宮を双子の兄弟という設定にしたのだが、いかんせん手術シーンが嘘っぽい。病院ではなくホールか何かのステージに臨時手術室をしつらえて公開オペとは、まるでマグロの解体ショーである。全話視聴率で11%維持がギリギリか。
「海のはじまり」(フジテレビ系)はネット再生数はダントツだが、展開が遅く、テレビのリアルタイム視聴では付いていけないと脱落者が相次いでいる。個人視聴率も3.5%まで落ちた。
おととし秋の「silent」(フジ系)の難聴者役で一躍人気となった目黒蓮を、今度は「月9」の主役に起用してヒットを狙ったが、目黒の体調不良で収録・放送が一時ストップというケチがついて、勢いを失った。