インスタで料理写真をアップしているのは土井吉晴さんのおかげ
私は当時、友人たちとお味噌を造る会に参加していましたが、確かに同じ材料、同じ分量で造っても、半年後に出来上がった味噌はみんな色も味も違う。お漬物だって作る人によって味がかなり違う。いろんな菌や味がついた手のひらで握るおむすびだって当然違いますよね。
それからとても仲よくさせていただいています。
食の原点を大事にされている方ですが、ある時「一汁一菜でよいという提案」という本をお書きになり、世の中を驚かせました。
「食べることが大切だとわかっていても、おろそかになってしまいがちな毎日の食卓。時間がかかって大変やとおもてるかもしれんけど、味噌は畑の肉といわれるくらいタンパク質の塊。お味噌汁に何でも入れたら、それでええんです」
土井さんは働く母の心を楽にしてくださった。私もその考えにならい、お味噌汁に野菜でもソーセージでも、なんでも入れてます。凝った料理ができなくても、お味噌汁さえあれば私も家族も大丈夫! と思えば、心が楽になります。
土井さんのメニューに干し椎茸を甘辛く煮たものがあって、うちの子供が大好き! 保育園児の時に「誕生日のプレゼントは何がいい?」と聞くと「干し椎茸!」と答えたほど(笑)。
今、私は料理画像をインスタでかなりあげていますが、私の料理好きは土井さんのおかげです。 (構成=松野大介)