1981年とは、70年代に息を潜めていた同世代が時代を席巻し始めた年なのだ
1981年の沢田研二①
1981年がやって来た。今から43年前は、どんな年だったのか。
この年、もっとも売れたシングルは寺尾聰「ルビーの指環」。もっとも売れたアルバムも寺尾聰「Reflections」。日本レコード大賞も寺尾聰「ルビーの指環」──。そう「寺尾聰の年」だったのだ。
そして、アルバム売り上げで「Reflections」に続く2位は大滝詠一の「A LONG VACATION」。「寺尾聰と大滝詠一の年」とくくれば、当時の記憶がビビッドによみがえってくる人も多いのではないか。
「Reflections」と「A LONG VACATION」。「シティー」と「リゾート」という違いはあれど、ソフィスティケートされたイメージと、丁寧に作り上げられたサウンドという点では共通している。
さらなる大きな共通点は──作詞・松本隆。「Reflections」にも収録された「ルビーの指環」と「A LONG VACATION」のほぼ全曲は松本隆の作詞となる。
つまり81年とは「寺尾聰、大滝詠一、そして松本隆の年」だったのだ。