平和から乱世の世へ。「光る君へ」のラストシーンは文学への覚悟を問われているようだった
1週遅れて申し訳ないが、大河ドラマ「光る君へ」の話だ。この流れからいくと次回M-1グランプリについて書くことになりそうで、すみません。
ついに最終回を迎えた「光る君へ」。1回目からずっと欠かさず見てきた。実に面白かった。と言ってもこういう話は、ほんと見てなかった人に伝えるのはかなり難しいのだが、まあアーカイブもある時代ですから、ぜひ今からでも見ていただきたい。
放送開始直後は視聴率歴代ワースト2位とか言われ、合戦のない平安時代で何を描くのかと批判されたが、最初からもうそれはそれはかなりの面白さであった。大石静氏の毎回うならせられる見事な脚本と的確な演出、そして俳優陣の素晴らしい演技。それも過去の大河のような大芝居ではない、間や目線、表情で見せる繊細な心理の襞が視聴者の心を掴んだ。
前半の面白さは宮廷内の政権争い、その権謀術数。これは天皇とそれに仕える貴族のファミリーの物語であり、大石氏ははっきりと「ゴッドファーザーをやろうと思った」と言っている。これが功を奏した。チャンバラや合戦の派手なアクションシーンはなくても、毎回ハラハラドキドキの展開と一話に必ず1回は大きな芝居場があり、グッと引き込まれる。