花粉症シーズンが終わってからも怖い「合併症」の深刻度
花粉症の治療をしているのに、鼻水や鼻づまりが長引く場合は、花粉症ではなく副鼻腔炎を疑ってみた方がいい。抗生物質による治療が必要だ。
■コンタクトと目の間に花粉が入り込んで…
近年は花粉症が引き起こす「口腔アレルギー症候群」も増えている。花粉症の人が、花粉とよく似たアレルゲンを持つ特定の果物や野菜などを食べることにより、口や喉にアレルギー症状を引き起こす。水疱(すいほう)ができたり、かゆくなったり、腫れたりする。重症の場合、呼吸困難や意識障害などが表れるアナフィラキシーショックを起こすケースもある。
人によって原因物質が異なるが、メロン、モモ、キウイ、リンゴ、オレンジ、トマトといった食品を食べて症状が表れたら、すぐに食べるのをやめることだ。
目の合併症も甘く見てはいけない。杏林大学医学部杏林アイセンターの山田昌和教授は言う。
「目のかゆみ、充血、目やにといった花粉症の症状は、目の粘膜に花粉というアレルゲンが侵入して起こるアレルギー性結膜炎です。症状が重くなると、『春季カタル』を発症するケースもあります。重篤なアレルギー性結膜炎のことで、激しい目のかゆみや痛みで目を開けられなくなる人もいる。角膜に大きな傷ができたり、濁りが出て視力が落ちてしまう場合もあります。もともとアトピー性皮膚炎の患者さんが花粉症によって発症するケースが多いので、注意してください」