尿酸値1上昇で高血圧リスク2割増…押さえたい「痛風知識」
「高尿酸血症を合併する高血圧患者さんには、尿酸値に悪影響を与えない薬で高血圧の治療を行います。生活習慣の改善を併用しても尿酸値が下がらなければ、高尿酸血症の段階から薬物治療を始めた方がいいと思います」
ガイドラインでは、尿酸値8以上で高血圧患者の薬物治療を勧めているが、これは主に痛風予防の観点からの提言だ。
「高血圧に合併する高尿酸血症は、脳心血管疾患のリスクとなることが明らか。痛風発作がなくても、尿酸値が7を超えたら薬物治療を考えた方がいいと思います」
薬物治療では、尿酸値6㎎/dl以下が目標。
「6㎎/dl以下なら1年以内の痛風発作の再発率は15%。7㎎/dl以下では30%、5㎎/dl以下では10%未満です。無治療の人の再発率は1年で62%。2年で78%、10年では90%を超えます」
■40年ぶりに国内新薬が登場
尿酸値を下げる薬には、酵素の働きを阻害して尿酸が作られるのを抑制する尿酸生成抑制剤と、尿酸の尿中への排泄を促進する尿酸排泄促進剤の2つのタイプがある。