やはり侮るなかれ…風邪が招く“死に至る病気”
風邪の原因となるウイルスには、心臓の筋肉(心筋)にダメージを与えて心筋炎を起こすものがある。そんな状態で心臓に負担のかかる水泳やマラソン、過度の飲酒などをすれば、突然死を招きかねない。
「心筋炎は薬や放射線、妊娠などでもかかりますが、原因のほとんどがウイルスです。コクサッキー、エコー、アデノなどの風邪ウイルスのほか、インフルエンザウイルスが知られています。心筋炎は発熱、頭痛、倦怠感、下痢や腹痛といった風邪症状に加え、血圧が下がるのが特徴です。動悸や胸部の痛み、不整脈などが起きることもあります」
■心筋障害を起こすことも
ただし、心筋炎の中には症状のないものもある。
心筋炎の多くは自然回復するが、まれにその後に心臓が拡大し、心臓の動きが低下するといった慢性の心筋障害を起こす人がいるという。
風邪に代表される呼吸器の感染症は、心臓発作や脳卒中などの発症リスクを2~4倍も増大させるとの英国の研究もある。「風邪だけど大丈夫」なんて考えは早死にのもと。改めた方がいい。