半身浴は不健康…「正しい入浴」を温泉療法専門医に聞く
それでも「半身浴で長くお風呂につかる方がカロリー消費が大きく、やせられる」と考えている人もいるはずだ。しかし、これも思い込みに過ぎない。名古屋大学医学部の研究者らがまとめた研究論文「全身浴、半身浴、シャワー浴がエネルギー消費量に及ぼす影響」によると、40度のお湯で「全身浴10分」と「半身浴20分」では消費カロリーに変わりがなかった。
「半身浴の方がたくさん汗をかくというのも正しくありません。前述の研究でも汗の量に差はありませんでした。半身浴で長くお湯につかる方が肌にうるおいが出る、というのも間違いです。長くお湯につかると、皮膚表面の皮脂やセラミドと呼ばれる皮膚の保湿成分が流出し、皮膚の表面を覆う角質が水分を保つことができなくなります。やがて肌の内部の水分まで失い、逆に乾燥肌になってしまうのです」
体を守るバリアーである肌が乾燥すると、夏の強い紫外線やさまざまな感染症に打ち勝つことができなくなる。
■ぬるめのお湯で1日の疲れをリセット
では、この時季にふさわしい入浴法とはどんなものなのか?