著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

騒音レベルが大きいとうつや不安を有する割合が大きい

公開日: 更新日:

 騒音は多くの人にとって不快で、ストレスとなるものです。それが精神的な健康状態とどう関連するかについて、これまであまり研究されていなかったように思います。

 騒音と不安や抑うつへの影響を検討した大規模なアンケート調査が、今年5月、科学・医学分野で有名な「プロス・ワン」という学術誌に掲載されました。この研究は、35~74歳のドイツに在住している1万4635人(平均54.9歳、女性49.4%)を対象とした調査です。

 日中および就寝中の「道路交通騒音」「航空機騒音」「鉄道騒音」「産業/建設騒音」「近隣屋内騒音」「近隣屋外騒音」の6つの騒音について、「騒音なし」「わずかな騒音」「中等度の騒音」「強い騒音」「非常に強い騒音」の5段階で評価しています。なお、不安症状や抑うつ症状は症状スコアによる点数で評価をしています。

 研究の結果、騒音レベルの上昇とともに不安症状やうつ症状のスコアが、統計的にも有意に悪化しました。また「騒音なし」と比べて、「非常に強い騒音」では、うつ病の有病者が1.97倍、極端な不安感を有する人も2.14倍、統計的にも有意に多いという結果でした。騒音の不快感の度合いが最も大きかったのは「航空機騒音」でした。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大逆風の田中将大まさかの〝浪人〟危機…ヤクルト興味も素行に関する風評が足かせに

  2. 2

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  3. 3

    楽天・田中将大の二軍テスト続行を明言…“外様”今江監督ならではの「常識的判断」

  4. 4

    「(菊池雄星を)高1で超えてやる」 天性の負けず嫌いが花巻東に進学した“本当の理由”

  5. 5

    斎藤元彦知事&代理人弁護士「時間差会見」のあざとさ…二人揃ってPR会社美人社長をバッサリ切り捨て

  1. 6

    八村塁が突然の監督&バスケ協会批判「爆弾発言」の真意…ホーバスHCとは以前から不仲説も

  2. 7

    斎藤元彦知事が百条委トンズラで大誤算!公選法違反疑惑に“逃げの答弁”連発も「事前収賄罪」の可能性

  3. 8

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 9

    「終わらない兵庫県知事選」の行方…新たな公選法違反疑惑浮上で捜査機関が動く“Xデー”は

  5. 10

    斎藤元彦知事代理人の異様な会見…公選法違反疑惑は「桜を見る会前夜祭」と酷似、期待されるPR会社社長の“逆襲”