声優・真山亜子さんは32歳でベーチェット病・クローン病に
つらかったのは、それからです。ストーマはお腹に開けた穴。そこから排泄物が自分の意思とは関係なく出てくるので、パウチ(袋)を貼り、中身がたまってきたらトイレに流します。パウチは皮膚にぴったり貼っているのですが、どうかするとにおいが漏れたり、外れたりするんです。泣きたくなるような失敗もたくさんありました。
でも、多くのオストメートがそうであるように、角度を変えてみれば、手のかかる赤ん坊のような存在といえます。今はそう思って仲良く付き合っています。
私は、病気になったことで、もう一度人生を生きさせてもらっていると感じています。そう、今の「真山亜子」は改名した名前です。文字通り、生まれ変わったつもりなのです(笑い)。
▽まやま・あこ 1958年、岐阜県生まれ。小劇団の女優として活動していたが、28歳から声優へ転身。アニメ「ちびまる子ちゃん」の杉山さとし役、「忍たま乱太郎」の乱太郎の母役、映画「ワンピース」のココロ役など出演多数。語りの集団「譚倶楽部」での人情江戸語りや、オストメートの講演活動も積極的に行っている。