例年より早く患者が出現 「マイコプラズマ」大流行の兆し
ただし、内科を掲げる開業医のすべてが呼吸器内科医とは限らず、迅速診断にたどり着かない可能性もある。疑わしければ、専門医を受診すべきだ。
そして、治療。3タイプの抗生物質があり、症状に応じて選択される。耐性ができるのを避けるために、症状が軽微なら古いタイプの薬を用いる。1週間ほどの服用になる。
マイコプラズマの早期発見・早期治療が重要なのは、前述の「重症化を防ぐ」に加え、「感染を広げない」ため。感染力は強くはないものの、身近に患者がいれば、感染率は高くなる。
「咳喘息を疑って受診した夫が検査でマイコプラズマと確定。翌日、妻も同病と判明」「会社の同僚がマイコプラズマ。自分も咳が出るので受診するとマイコプラズマだった」という患者が、取材前数日間だけでも、大谷院長のもとにいた。
「インフルエンザなどの感染症と異なり、マイコプラズマは20~50代で体力があり、免疫力もしっかりしている年代が悪化しやすい。油断は禁物」
飛沫感染なので、感染者は「うつさないために」、感染者の周囲の人は「うつされないために」マスクの徹底を。ただ、予防的に薬を服用するなど、積極的な対策は必要ない。