遅く生まれた子供の方が「喘息リスクが高い」のフシギ

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都内の40代

 冬は喘息の出やすい季節です。冷気の刺激で咳が出やすくなるうえ、乾燥してハウスダストなどのアレルゲンを吸い込みやすくなるからです。

 そんな喘息の新しいリスクが先月8、9日に開かれた第53回日本小児アレルギー学会で報告されました。「出生順位が遅いほど、幼児期は喘息、アトピー性皮膚炎・湿疹罹患率が高く、食物アレルギーは低かった」というのです。

 岡山大学病院小児科の研究で、厚労省のデータを使い、出生第1子、第2子、第3子のアレルギー疾患の罹患率を検討した結果だそうです。

 それによると、1~3歳時点では第1子に比べて第2、第3子の方が罹患率についてのオッズ比(ある事象の起こりやすさを2つの群で比較して示す統計学的尺度)は有意に高かったということです。

 ところが、7歳以降になると、第3子のオッズ比は低かったというから面白い。

 食物アレルギーは5歳までは第1子に比べて第2、第3子のオッズ比は低かったが、6歳以降は変わらなかった。アトピー性皮膚炎・湿疹は1歳までは第1子のオッズ比が高く、罹患率も高いものの、2~10歳時の長期になると第2、第3子ともオッズ比が高くなったそうです。

 子供のアレルギーが疾患ごとに、環境によって受ける影響が違うことがわかったのは興味深いことです。子だくさんの家庭では子供のアレルギー対策の参考になるかもしれません。

【連載】当事者たちが明かす「医療のウラ側」

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