体の異常を伝えるサインかも…臭い唾液に潜む“重大病”
例えば虫歯や歯周病は、歯周ポケットや虫歯の穴に巣食った細菌や食べかすの腐敗臭を発する。卵や魚の内臓が腐敗したようなにおいだ。
歯の根の先に膿がたまる歯根嚢胞から膿が出ている場合は、濡れぞうきんのようなにおいを放つ。
「唾液には緩衝能力といって、口の中に入ってきたものを中和する能力が備わっていますが、疲れやストレスがあると、この能力が落ちて唾液が常に酸性になり、においを発しやすくなります。しかし、唾液自体が臭くなる最大の原因はドライマウスです。口の中が乾くことで嫌気性細菌が繁殖しやすくなります」(木村院長)
とくに舌の表面の角質が伸びて硬くなり、そのすき間に細菌や食べかすがたまった舌苔は、卵の腐ったようなにおいが一層強くなる。
■肝臓、腎臓も危ない
これらは歯科治療をすれば改善するが、においの原因が体のほかの部分にある場合はそうはいかない。体の異常を知らせるにおいは血液に溶け込んで全身をめぐり、それが唾液腺で唾液に移行し、口いっぱいに広がる。