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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

緩和ケアには最新分子標的薬並みの「延命効果」がある

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 我慢強さは、日本人の美徳といわれます。しかし、これが病気の治療、特にがん治療では、邪魔になることが少なくありません。今回は、がんの痛みの治療と心のサポートに関係する緩和ケアについて紹介します。

 厚労省は、終末期のがん患者の実態を調べるため、初めて遺族を対象とする大規模調査を行う方針を打ち出しました。終末期の治療や緩和ケアについては、患者への聞き取り調査が難しいためで、どんな治療や緩和ケアを受けたか、満足度などを聞くといいます。

 なぜ、このような調査が行われるかというと、緩和ケアが十分行われずに苦しんで亡くなる患者が少なくないためです。がん治療は、47都道府県にある約400のがん診療拠点病院が担っています。ところが総務省の調査では、その拠点病院でさえ痛みを和らげる専門医が常駐していないなど、7割が緩和ケアを行う医療体制が不十分だったのです。

 がん患者の6割は、がん診療拠点病院で治療を受けます。現状は、緩和ケアは心もとないといわざるを得ませんが、だからといって患者は決して痛みを我慢してはいけません。緩和ケアは、余命をも左右することが明らかなのです。

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