ライブ続行で荒療治…円広志さん「パニック障害」を語る
「パニック障害」と診断されるまでが苦しかったですね。診断されたときはホッとしました。「気持ちの問題じゃなくて病気なんだ」とわかって、とてもうれしかったんです。
この病気は、脳の中の不安や危険を感じたりする神経が誤作動を起こし、不安や危険がないのに恐怖や回避行動を起こしてしまう病気です。今でもトイレが怖い日もあるのですが、薬で劇的に良くなりました。
発症したのは、約20年前。そのころは、毎日の生放送を含め週10本以上の仕事があって、ものすごく忙しかったんです。にもかかわらず、金曜は学生時代の友人とほぼ毎週、夜遊びに興じていました。当時は二日酔いと寝不足を楽しんでいたんです。忙しいのがうれしかったし、仕事がどんなに忙しくても夜遊びもちゃんとするのが“ザ・芸能人”みたいなね(笑い)。「たぶん、関西で一番寝不足なのは俺ちゃうかな」なんて言っていた時期でした。
■スタジオが怖くて生放送では時計ばかり見ていた
いつごろからか、クルマを運転していたらなんとなくトンネルが怖くなっていて、「嫌だな」と思っていたら、ある日異変が起こりました。渋滞でブレーキを踏んでいるのに景色の方が動いている感覚になったのです。「このままじゃぶつかる」とブレーキをさらに踏むけれど、止まっているからぶつかるわけがない。でも、景色はまた動きだす。そんな現象が帰宅するまで続いたのです。それをきっかけに、急にすべてのことが怖くなりだしました。