胃がんの治療法は「内視鏡と手術」どちらを選ぶべきか?
仮にMさんが手術を受けるとなると、がんが胃の上部にあるから胃全摘、つまり胃はなくなります。胃がなくなるので、これから先は胃がんになることはありません。
ただ、患者さんによりますが、手術後に胃がある・なしでは、食生活が変わってきます。胃がないと食物が一度に腸に流れ込むようになり、ダンピング症候群という不快な症状が出ることがあります。食後に汗をかいたり、動悸が表れる場合もあります。そうした患者さんは、よく噛んで食べる、ゆっくり食べる、1回の食事量を調整するなど、いろいろな工夫で克服されているようです。個人差が大きいのですが、手術後の食事の取り方はとても大切です。
■担当医に「先生の家族ならどうするか」を尋ねてみる
Mさんの問いに対し、「がんでも早期がんで良かったね。Mさんは糖尿病があるし、胃はあった方がいいと思う。いつかまた胃がんになるかもしれないけれど、定期的にチェックしてもらえば……」と言いかけると、Mさんは「分かった。内視鏡治療にするわ!」と即決でした。私は「ご家族みなさんで相談されてから……」と答えましたが、結局、2週間後に入院して内視鏡治療を受けることになりました。